今週のAnthropicは、Claude CodeのCode Reviewを正式版にし、Opus 5.5のfast modeも申し込み不要の一般提供に切り替えた。Claude Codeは10月14日から19日までにv2.1.299からv2.1.304まで5回更新され、フックや権限、worktreeまわりの修正が多かった。前回の記事(10月2週目)で扱ったv2.1.296までの話は除き、それ以降の動きをまとめておく。
Code Reviewが正式版になり、レビューの深さを選べるように
Anthropicは10月15日、GitHubのプルリクエストをClaudeが自動でレビューするCode Reviewを、リサーチプレビューから正式版に移した。対象はTeamとEnterpriseの組織だ。Anthropicによると、レビューにかかる時間はプレビュー期間の約20分から6〜10分ほどに縮み、指摘も「何が問題で、どんな条件で起きて、どう直すか」を数文で示す形に短くなった。管理者はリポジトリごとにQuick、Standard(標準)、Deepの3段階からレビューの深さを選べる。条件を満たすEnterprise組織は、2027年1月15日までに申し込めば1万ドル以上のCode Review用クレジットを受け取れる(Claude公式ブログ)。
4日後の10月19日に出たClaude Code v2.1.304では、組織のOwnerがこのレビューレベルを組織単位で決められるようになり、GitHub組織の全リポジトリ(後から追加したものも含む)をまとめてレビュー対象にする設定も加わった(DevelopersIO)。
個人で使う場合、何がどう変わるか。Code ReviewはTeamとEnterprise向けの機能なので、ProやMaxの個人契約では今回も使えない。1回あたりの料金について、正式版での金額は今回読んだ範囲では見つからなかった。自分はPro契約で、GitHubにプルリクエストを出して誰かにレビューしてもらう運用もしていないため、直接の影響はない。手元でのレビューは、Claude Codeに入っているコードレビュー用のコマンドで足りている。
Opus 5.5のfast modeが申し込み不要に
同じ10月15日、Opus 5.5のfast mode(応答を速く返すモード)がリサーチプレビューを終えた。APIでは利用申請が要らなくなり、これまで必要だった専用のベータ用ヘッダーも送らなくてよくなった(送っても動く)。Microsoft Foundry(Azure)からも使えるようになっている(Claude Platformリリースノート)。一方、Opus 5とOpus 4.8のfast modeはプレビューのままだ。Claude Codeの公式アカウントの投稿を引用したDevelopersIOの記事によると、速さは最大2.5倍で、料金は100万トークンあたり入力8ドル、出力40ドルとされる。この料金は公式ドキュメント側では確認できなかった。
個人で使う場合、何がどう変わるか。Claude Codeの「/fast」の確認画面から「(research preview)」の表記が消えた(v2.1.304)だけで、使い方は変わらない。注意したいのは料金の扱いだ。Claude Codeの変更履歴には「クレジットが尽きた後もfast modeがオンのまま残る不具合を直した」という項目があり、fast modeはプランの利用枠とは別にクレジットを使う前提で作られていることがわかる。自分はProの追加利用をオンにしつつ月10ドルの上限を付けているので、うっかりfast modeを入れっぱなしにすると上限まで一気に使い切りかねない。急ぐ作業のときだけ入れて、終わったら切るようにしたい。
Claude Code v2.1.299〜304の変更点
Claude Codeは10月14日から19日にかけて、v2.1.299からv2.1.304まで更新された(v2.1.297と298は公開されていない)。v2.1.303は不具合修正のみだ。個人利用で目に付いた変更は次のとおり(Claude Code公式changelog、DevelopersIO)。
- v2.1.299(10/14):Windowsで、Git for Windowsが入っていない環境ではPreToolUseなどのフックが働かず、操作がそのまま通っていた不具合が直った。プラグインのフックが応答しなかった場合も、許可ではなく拒否になった
- v2.1.299(10/14):20万トークンを超えた会話を約54分放置すると、キャッシュが切れる前に自動で会話を圧縮するようになった(アイドル時の圧縮)。設定で切ることもできる
- v2.1.299(10/14):MCPの許可ルールが、名前を指定したサーバーにだけ効くようになった。サーバー内の全ツールを許可するには「mcp__サーバー名__*」と書く
- v2.1.299(10/14):Shift-JISなどUTF-8以外のファイルを、Writeが黙ってUTF-8に変換して上書きしていた不具合が直った。今後はそうしたファイルへの書き込み自体を断る
- v2.1.302(10/16):デスクトップアプリとVS Codeでは、メインの会話から呼んだサブエージェントが常にバックグラウンドで動くようになった
- v2.1.304(10/19):「claude –worktree」で起動した作業用フォルダを、条件によっては終了時に確認なしでブランチごと消してしまい、コミットを失うおそれがあった不具合が直った
- v2.1.304(10/19):ProとMaxで、しばらく放置した会話を再開すると5時間枠を大きく消費しそうなときに警告が出るようになった

個人で使う場合、何がどう変わるか。Windowsで使っている人には、v2.1.299の2つの修正が効く。1つ目はフックの件で、危ないコマンドを止めるフックを自作していても、条件しだいで素通りしていたことになる。自分の環境はGit for Windowsが入っているので該当しないはずだが、念のため最新版にしておきたい。2つ目は文字コードの件だ。日本語のWindowsではShift-JISのCSVや古いテキストがまだ残っていて、Claudeに編集を頼むと中身が黙ってUTF-8に変わり、Excelで開いたときに文字化けする原因になっていた。今後は書き込みを断られる形になるので、エラーが出たら「UTF-8に変換してよいか」を自分で判断することになる。
続いて、放置した会話の再開に関する2つの変更も、Proで使っている身にはありがたい。夜に長い作業を中断して翌朝続きをやると、キャッシュが切れた状態で会話全体を読み直すことになり、それだけで5時間枠をかなり使ってしまう。アイドル時の自動圧縮と再開時の警告で、この無駄に気づきやすくなった。MCPの許可ルールの変更は、「mcp__サーバー名」のように末尾の「__*」を省いて書いている人だと、これまで通っていた操作で確認が出るようになる可能性がある。
Claude Docs、Slides、Designが全プランで使えるように
前回の記事では取り上げなかったが、Anthropicは10月8日、claude.ai上で文書、スライド、デザインを作るClaude Docs、Slides、Designのベータ表示を外し、Freeを含む全プランで使えるようにした。あわせて、社内のデータベースにつないでグラフをまとめるClaude Dashboards(有料プランでベータ)と、動きのある映像をMP4で書き出せるClaude Motion(TeamとEnterpriseでベータ)も始まっている。一方で、単独サービスとして提供されていたClaude Design(claude.ai/design)は2026年12月14日までに終了する。Claude Code v2.1.302にも、この終了を知らせる表示が加わった(Claude公式、Claude Code公式changelog)。
個人で使う場合、何がどう変わるか。無料プランでも、Claudeに頼んでスライドや文書をそのまま作れるようになった。単独版のClaude Designでデザインを作りためている人は、12月14日より前に中身を書き出しておく必要がある。自分はブログ用の図をPillowやHTMLで自作しているので単独版は使っていなかったが、記事の図解をSlidesで作る選択肢が増えたので、次の比較記事で一度試してみたい。
AI業界のそのほかの動き
- Google、Gemini 4 Argonを一般公開:10月13日に、Gemini APIとAI Studioで使えるようになった。GeminiアプリではGoogle AI ProとUltraの契約者向けで、無料版ではまだ使えない。APIの料金は11月30日までの導入価格で100万トークンあたり入力2ドル、出力10ドル。(ゴリミー)

- Meta、初のフロンティアモデルMuse Wonderを公開:10月12日に発表された。会話をまたいで覚えておく機能(Active Memory)が売りで、開発者はMetaのModel API経由で100万トークンあたり入力4ドル、出力20ドルで使える。第三者の評価ではClaude Opus 5.5に少し届かない位置とされる。(TechCrunch)

- OpenAI、ChatGPTの音声会話を更新:10月15日のリリースノートによると、音声モデルがGPT-Live-1.1になり、なまりの自然さや声の種類が増えた。各言語の新しい声は全ユーザーに順次配られる。(ChatGPTリリースノート)
参照元: Claude公式ブログ(Code Review正式版) / Claude Platformリリースノート / Claude Code公式changelog / DevelopersIO(v2.1.303〜304) / Claude公式(Dashboards and Motion) / ゴリミー(Gemini 4 Argon) / TechCrunch(Muse Wonder) / ChatGPTリリースノート



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